奇跡のデッドストック

2023年10月13日 10時20分

 この投稿はいつもながら塾とはまったく関係のないオーディオ関係の話なのでほとんど独り言でございます。

 3カ月程前、ずっと使ってきたプリメインアンプ、PMA-S10は突然フューズが切れて電源が入らなくなってしまいました。急遽全く同じ型のフューズを用意して取り付け、電源を入れてみたところ即座に煌々として焼き切れてしまいました。これは何か根本的な原因があるに違いなく、その点検作業だけでも今はかなり費用が掛かります。

 なんせ95年発売のものですので、28年前です。さらにPMA-S1という最上機種がありましたが、このS10はその一つ下の高級機種で、今この性能のアンプを購入しようとすれば確実に2倍の価格にならざるを得ないでしょう。当時で220,000円なので400,000円以上ですね。そりゃそこまでお金を払って機器を揃えて音楽一つ聴こうという人口そのものが当時と比べても比較にならない程減ればそうなります。

 夏の教室改装をやっている間はまさかゆっくり音楽鑑賞する時間などありませんでしたが、その最中にとあるサイトでとんでもないものを見つけてしまったのです。それがなんとこのPMA-S10の奇跡のデッドストックなのです!ちなみにデッドストックとは「デッド(dead)」=死んでいる、「ストック(stock)」=在庫なので、一度も開封されずに当時から眠ってきた在庫ということです。単純に、滅多にないことです。

 発売から28年という月日。考えてみれば僕がたった5歳の頃です。一度も日の目を見ることのなかった、自分の愛用アンプと同モデルのものが手に入った瞬間は震えました。これは一刻も早く改装を終えて、新たな教室に設置せねばと奮闘しました。

新旧並べてみるとパッと見同じですが、細かいところが違います。ケーブルはオリジナルでないことを承知で使っていましたが、これからは純正の極太金メッキプラグです。

 今まで艶消しのマッドな金がオリジナルだと思っていたら、新品の状態だとこんなにも輝いた金色なのですね。古いものも磨けないことはないかもしれませんが、プラスドライバーの隙間や、スクリューの谷間にアクセスするような研磨は中々困難でしょう。

 正面はもちろんですが、なによりこのアルミ無垢真鍮をあしらったRCA達の輝き・・・。見ているだけでうっとりします。早速オーディオテクニカのRCAカバーを全てに付けて劣化防止しました。

 新しい教室の定位置に設置。上に乗っかっている白いのはサーキュレーターで、古いものの電源周辺部が異常な発熱をするので常に送風して冷やしていました。実際に新品を使ってみるとほんのりあったかくなるくらいで全然熱くなりませんでした。やはり故障の前兆だったようです。

 肝心の音もこれまでとは打って変わって、覆っていたカバーを取り除いたように一つ一つの音が粒だっています。このアンプの本来の音はこういうものかと、感心しながら聴いています。開封したてでまだまだこれから鳴らして(慣らして)いかなければなりませんが、その音の変化も楽しみです。

 ネット環境がオーディオの買い物の仕方を大きく変え、常に新たな、より良いモデルに次々と買い換えていくことが多いかもしれませんが、このアンプはそもそもの使用歴が長いことと、奇跡のデッドストックに出会えた事もご縁ですので、このアンプの寿命が来るまで使っていこうと思います。

 また隣のYAHAMAのGT-750というレコードプレーヤーも、今は選手交代して、また更に古い機種へと変わりました。またまたその下にあるYAMAHAのNS-1000Mという長い付き合いのモニタースピーカーもお休み中で、今はまた別の大型スピーカーがメインで鳴っています。それらに関してはまた今度。

 僕なんかよりも数倍感性が豊かな小学生や中学生達を指導中にBGMとして流しているのですが、彼らがどう感じているものか、いつも気になります。どう思っているかではなく、どう感じているか、です。無意識下で学びのサポートになってくれることに僅かな期待をしているところです。

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