キャンプ場へ初出勤

2021年9月3日 21時11分

 今日は6時に起床し、初出勤の現場であるキャンプ場へと出かけた。自宅から飛ばして45分、片道おおよそ40キロ。一見遠く見えるが、思い返せば横浜の保土ヶ谷から東京へ下道をバイク走らせ出勤していた時はそのさらに遠かったのだ。また田舎の道はふとスピードメーターをみると高速道路並みの速さで走っていることがしばしばある。

 ともあれ出勤時間より15分早く到着した。ちらほらと現れたスタッフに挨拶し、管理者スタッフが時間ちょうどに現れるとともに朝礼に入る。もともと勤めていた大手のキャンピングギアメーカーの時とは打って変わって現場の空気は極めて緩い。改めてその場にいるスタッフを見回してみるがみんなマスクをしているので年齢不詳、下手をすると性別不詳である。

 目の前で事務作業をしている女性はここで働いて1年だという。年齢は19歳、思わず「へ~!」と大きめの声が出てしまった。さらにすっかりパートと思い「~さん、大学生?」なんて聞いた時には「いいえ、社員です」とくる。これは失敬。自ら選んだとはいえ、この業界の経験もあり三十にもなった私が19歳の社員の前にパートとしてここに立っている、そう思うと突然くすぐったくなってくる。

 このキャンプ場は数年前にオープンし、スタッフの平均年齢は三十以下であろう。聞くとスタッフのほぼ全員が業界外の人間だという。ともあれ周りは鹿でも猪でも全て「先輩」であり、私は何者であれ「下っ端」に過ぎない。まずは言われたことをへいこらやりこなすのみである。

 プライベートサイトのフェンスの掃除を雨の中傘を差しながらひたすらに、ただひたすらに行う。場内をひたすら下を向きながら歩き、小さなごみを見つけ次第トングでつかみ、バケツに放り込む。ゴアテックの服も靴も持参し忘れたせいで足場ひどく濡れ、腕も浸水状態に。ともあれ身体を使うまさに「労働」は久々であった。雨の中「清々しい」とまでは誇張しないが悪くない。

 キャンプ場の基本である来客案内は過去にやり倒しているので極めて容易。システム関連の知識さえ覚えてしまえれば電話対応なども容易い。なんせ小規模なのでマネージメントは楽である。また現在このキャンプ場では宿直業務もない。管理者の備品発注の様子も窺ってはいたが、そもそも総備品数も少ない。売れ筋の薪も自社で廃材をこしらえている。

 そんなこんなを見ていると、どうしても管理者のマネージメントの様子に目が行ってしまう。いかん。現場で身体を使うことも此度の目的であって極端な左脳的思考は暫くお休みさせなければならない。粗方の労働が終わると管理者に「今日はやることがないからどうしようか」と問われた。私は特に何も言わず、管理棟内とスタッフの様子をただ見つめていた。

 念願叶って越してきた一軒家も、予想外の妻の妊娠となるともはや孤島と化す。私が仕事で朝から晩まで出れば妻は籠城である。パート以外の選択肢も無かろう。またかと言って便の良い場所に引っ越すには早過ぎやしないだろうか。同僚はみな1時間、2時間かけて通勤しているらしい。京都に戻って高速を使えば1時間10分で通勤は可能である。しかし高速代はたかがパートには支給されない。

 日当8000円として高速代に3000円使うバカがどこにいるか。社員の仕事とパートの仕事が同等、下手をするとパートの労働価値が高いことは実際どこでもある。否、それどころかそれが資本主義労働下におけるスタンダードであろう。

 仕事内容と働いている人間は申し分なく、暫くは続けるつもりではあるが、未来の息子か娘の為にも住み処と仕事を整えざるを得まい。

 少なくともそれが社会が私に押し付ける「常識」なのだから。

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shota0711 への返信 コメントをキャンセル