No Rain, No Rainbow?

働くキャンプ場にて絵に描いた如しの虹が出た。今年のこの時期は全国で時雨による虹が多く見られたそうだ。しかしこのショットはそこら辺の写真とは違う。虹の中心真下にありがたい観音様がいらっしゃるのだ。虹が見れたからと言って何かアッというような良いことはなく、日々相変わらずであった。

 虹を見る前だが塾の生徒からハワイの言葉で「No Rain, No Rainbow」を教えてもらった。さらに虹を見た後にたまたま車のテレビ番組でもそのハワイの言葉が紹介されていた。ゲストは非常に感心したコメントなどをしていたが、私のようにひねくれた人間は別にそうは思わない。

 つまり「悪いことがあっても良いこともある」と言いたいのであろうが、正しくは「悪いことがあるから良いことがある」である。横に伸びた直線があり、そこを中心に同じ幅の波が上下する。どれだけ幸せでもそれはやがて必ず中央線に戻る。ただ戻るだけでなく幸せという快感を脳が知ってしまった以上、戻った場所はもう普通ではなく「つまらない」となる。

 薬物をはじめとする依存症は全てこれである。だから「良いことがある」と言うのは幸せではない。ではなにが幸せか。だから「何もない」が真の幸せとなる。雨が降って虹が出るかもしれないが、結局ゼロサムではないか。仏教でいう「無」とは、この上下する「波」を「そんなもん実はねーよ」と言い、「中央線で満足しておきなさい(知足)」と言う。だからあっちこっちに行って一喜一憂するな、と。

 それでも波乱万丈、波風を立てたがるのもまた理性的でない人間の宿痾なのだ。

 そんなことはさておき本日すでに10月28日。31日の退去まで、自力で引越しをやってきたが思っていた以上に苦労した。家にあるものが予想以上の質量で、大型家具はいずれにせよ自前の軽自動車では運べない。滋賀の草津まで行き、久々にレンタカーを借りてその足で丹波へ。一晩過ごしてそのまま京都へ。さらにその足でまた草津にトラックを返却に行った。

 この2tトラック、乗って驚いたがサスペンションが変なのかバウンシングの激しいこと・・・。高速でほんの少しでも段差があると体が宙に浮いてしまうほどであった。それが原因で丹波から京都へ妻を載せていこうと予定していたが急遽中止に。丹波での荷積みもパワーゲート(リフト)が付いていないので60kgある冷蔵庫を1m程持ち上げて中に詰めるという苦闘に見舞われた。

 妻は極力、力を使わないように手伝い、何とか大型家具全てを積み込んで京都へ向かった。当日父親から思いもかけない電話と思いもかけないヘルプの提案があり、現場では3時間は掛ったであろう荷下ろし(いや、無理だったかもしれない)を1時間程度で終わらせることができた。返却の時間ギリギリで何とかトラックを返し、その足でくいっぱぐれた昼食をとるために最寄りのコンビニへ向かった。

 まずはキレートレモンでビタミンを補給しつつ炭酸でスカッとする。そのあと肉まんを食らい、新発売であろうカップヌードルのシーフード味、高たんぱく&低糖質をすする。誰もいない車内で思わず「ウマい!」と雄たけびを上げてしまった。そのスープを残しつつかやくごはんを〆に食べる。うまい飯を食べたければ労働せよ、これ間違いない。

 その後家に帰った次の日の朝。苦労して張った杉無垢のフローリングをすべてきれいに外した。まだまだ使えるので次の家に張る予定である。これが昨日27日。残りの4日間は2人でこちらにいる予定だったが、荷物ももうひと往復必要であると同時に、暖房器具もないこの場所で妻を無理させて居させるのもよくないと思い、再び京都へ戻り実家へ送り届けた。

 次の家は一軒家ではあるが思う存分オーディオを楽しめる環境ではないため、実家の自室をオーディオルームに戻すことにした。PMA-S1も専用のオーディオラックに収まって素晴らしい佇まいである。しかしアンプが本調子なのかを確かめるため、今度京都市内在住の自称「オーディオ機器修理屋」に持っていく予定である。夢のJAZZ喫茶開店、もしくは半地下オーディオルームはいつ実現することか。

 明日から2日間キャンプ場勤務だが愛妻弁当も夜飯もない。今は何もないだだっ広い部屋の和室に座り込んでいる。妻の孤独を理解したような気もする。モノがあろうがなかろうが、人の気配が如何に影響するかよくわかる。

 仕事の行方はいまだはっきりせず、それもオーナーによれば来月2日にわかるらしい。そう言えばこのサイトのプランが1年更新日を2日後の30日に迎える。つまりそれを過ぎればまたあの「広告地獄」に戻る。金を払って広告を取り除くというのは誠にバカげている。別に自分が見るものでもあるまいし年間6,000円もする更新は止めにする。

 知り合いの喫茶店のオーナーは実にまめな人間で、毎日身の回りのモノについてブログを更新する。毎日欠かさずだ。あのまめさは性分であって私のものではない。極めて気まぐれなこのブログを見ている人間も気まぐれであるなら、そんなにちゃんとしなくてもいいではないか、という言い訳を言って気を済ませる。

 ともあれ更新料6,000円は子供の養育費に貯めておくことにしよう。

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